9月のある日 晴れのち曇り
大学の先輩(卒業されて、現在はお仕事をされている)が、夜ご飯をご馳走してくれる日。
19時に待ち合わせをして、バスに乗り、非常に雰囲気の良いお店に案内してもらう。
そこで焼肉をごちそうになりながら、軍隊についての話を聞く。
朝6時半に起床し、いろいろした後、3キロのランニングを終えてから朝食を食べるという生活を、約2年続けなければいけなということを知る。
また真冬に野宿をする訓練が、非常に寒くてつらかったという話を聞き「日本に軍隊がなくてよかった」と心の中でビビりまくる。
先輩の部屋では、1列30人の列が2列の、合計60人で寝ていたらしく、わたしは集団生活が苦手なため、心の中で「ひっ」と叫ぶ。
軍隊での生活は、非常に過酷なものであると恐れおののく。
150日ぐらいしたら、軍隊での生活に慣れてきて、まあまあ楽しかったと語ってくれた先輩。
焼肉、めちゃくちゃおいしかったです。
9月のある日 晴れのち曇り
授業終わりに、久しぶりに会った友人とカフェに向かう。
お互い、夏休みをどのように過ごしていたのかなどといった、よもやま話に花を咲かせていると突然、右側から「ボンッ」と大きな音が聞こえたと同時に、顔面に熱い衝撃を受ける。
突然の出来事に困惑し、つかの間、思考が停止し状況がつかめない。
やっとのことで、どうやら、油のような水のような何らかの液体が顔にかけられたらしい、ということを把握して、道路の方を見てみる。
車のボンネットが上に開いた状態で、そこから白い煙が出ている。
さらには、茶色い汚れた液体が道路に流れ出ているではないか!!
まさか、あの液体を顔面にかぶったのか!?
それが左目に入ったことを確信していたため、もしかして、私の左目は失明してしまうの?!
といった、恐ろしい想像が頭の中に広がる。
そういえば昔、通りすがりの人に硫酸をかけられ、顔がただれてしまった人のドキュメンタリーを見たことがある。
「と、とりあえず顔洗ってくる」
周囲に人がたくさんいたため、顔にもシャツにも汚水をかぶった状態でいる恥ずかしさに耐えられず、近くのお店に入り、顔を洗う。
幸いなことに、私の顔はただれておらず、痛みがあるわけではなかったので、恐怖の対象はすぐに「周囲の人たちからの視線」に移り変わっていた。
「今日、化粧うまくできたのにな」
得体の知れない生ぬるい液体が目に入ったというのに、顔を洗いながら浮かぶ考えは、危機感のないものである。
お店を出ると、友人が車の運転手と話をしてくれていた。
車の運転手曰く、その液体の正体は、冷却水だそう。
「すいませんでした。お怪我はありませんか?」
「目に入ったんですけど、もしかして、危険な液体とかじゃないですか?」
「冷却水なので、よく洗えば大丈夫だと思うんですけど、、、」
このようなやりとりを数分した後、名刺を受け取る。
とりあえず、異常がなさそうなので、様子を見てみることに。
しかし、その後、午後の授業を聞きながら、なんだか左目がかゆいような、かゆくないような、そんな気がしてくる。
大丈夫だとは思いながらも、大切な左目を失うことがあってはならないので、明日あたりにでも、病院に行ってみることを決意。
それにしても、「冷却水」なら目に入っても安全なのか?という疑問は残ったまま。
なぜなら、事故後に私と友人は、確実に見ていたのだ。
「絶対茶色かったよね」
「うん。服に付いた跡が消えないし、本当に冷却水なのかな」
やはり、想像もしないような出来事に出会うことができるところに、留学生活の魅力があるのに違いない。
なかなか刺激的な留学生活を過ごしているな、と感じる、まだまだ残暑が厳しい日の出来事でした。
9月のある日 晴れ
一緒に暮らしている友人二人と、久しぶりに、飲みに出かける。
久しぶりに、飲む。
二軒目に行って飲んで、大きなアイスクリームを食べる。
9月のある日 曇りのち雨
友人と、アルバイトに参加してみる。
登録制のバイトで、募集が出たら、応募して単発で参加することができるものである。
早朝からバスに乗ってソウルを出て、1時間半ほど行ったところで一日バイトをする。
当初の終了予定時刻よりも2時間ほど遅れて、終電に間に合わなくなってしまったが、バイトで仲良くなったおじさんに、車で家まで送ってもらうことになる。
そのかっこいい大先輩には、後日ご飯をご馳走する約束をして、帰宅。
それにしても、大先輩がいなかったら、どうやって帰っていたのだろうか、、、
10月のある日 曇りのち晴れ
大学の広場で、交換留学生たちによる「インターナショナルイベント」が開催されているので、授業がない時間を使って友人と見物してみる。
様々な国から来た留学生たちが、母国の文化を紹介するイベントである。
韓国のブースに行き、メンコやサイコロ状の小さいブロックを手のひらや甲にのせる遊びを体験してみる。隣にある日本のブースは毎年人気で、今年はけん玉や輪投を体験することができた模様である。
ちなみに、各国の出し物を体験した後には、その国の食べ物や飲み物をいただけることが、この行事の魅力の一つ。
韓国ブースではマッコリを飲み、ヨーロッパの国のブースではワインをいただき、メキシコの(果物の)お酒を飲み、こうして様々な国のお酒を飲んでいたら、すっかり良い気分に。
おかげで次の授業は楽しく、良い気分で受けられたのでよしとする。
11月のある日 晴れ
授業の課題で、광화문(光化門)に撮影をしにいく。
課題を終え、チームのメンバーと駅に向かっている途中である。拡声器を使い、交差点で演説するおじさんの声が聞こえる。
「犬が人間の言葉を話たら、それは、人間と言えるだろうか。」
その声があたりに響き渡っている。
再び、
「犬が人間の言葉を話たら、それは、人間と言えるだろうか。」
どうやら、ずっとこのフレーズだけを繰り返しているらしい。
信号待ちの間、ずっとこの言葉を聞きながら、確かにどうなんだろう?と考えさせられるような、ならないような、そんな気持ちになる。
11月のある日 曇りのち雨
結局、犬が人間の言葉を話したら、それは人間なのかわからないまま授業を聞いていると、急に教授から名前を呼ばれる。
「君は女装したら似合いそうだよね」
ぼーっとしていたところ、急にはっとなる。
教授曰く、どうやら私は女装が似合うらしい。
褒められているのか、そうではないのか真相はわからないが、きっと褒め言葉だ、、、と自分に言い聞かせてよしとする。
ちなみに、その教授は女性でした。
つづく。